合成シャンプーの生分解性について

生分解性が高いということが直ちに水質汚濁負荷の低減につながるわけではありません。

環境中への直接排出では生分解性の高いものほど、水中の酸素を急激に消費して汚濁源になります。
一般的には合成界面活性剤の方が製品への配合割合が低いので、汚濁負荷は小さいといえるでしょう。

生分解性が高い製品のメリットは、生物処理における除去率が高いことです。

生分解するということは消えてなくなることではありません。河川ではヘドロや底泥として、処理施設では汚泥として界面活性剤とは別の形で堆積したり、回収されることで水系から分離されています。

川の上流地域に住んでいて、魚などの水生生物に対する影響が心配なところでは石けんを使うのもよいでしょう。
資源的な問題だけを考えると石けんは、合成洗剤に比べて数倍以上の油脂を使い、植物系の合成洗剤ではパームヤシなどの栽培のために熱帯林などが焼き畑で失われるで、石油系合成洗剤の方が良いのではないかと思います。
石油は枯渇性資源だと主張する人もいるかもしれませんが、石油が燃料として大量使用されている現状を考えれば、洗剤用などの用途はたかが知れているともおもいます。

何を使うのも個人の自由ですが、こういう現状を知って選ぶのも一つの選択だとおもいます。