ヘナについて

HENNA

ミソハギ科
別名エジプトイボタノキ、指甲花

灌木、葉は対性。
芳香の強い花をつけ、約6mの高さになる
一般に、アフリカおよびアジア原産と考えられている
世界的に熱帯地域(エジプト、スーダン、中国、インド、フロリダ、西インド諸島】で広く栽培される。
乾燥した葉を利用する
主要生産国は、スーダン、エジプト、インドなど。

〈成分組成〉

  • 0,55%~1,0%のローソン(2‐ヒドロキシ‐1,4‐ナフトキノン)、1,4‐ナフトキノン、5~10%の没食子酸及びタンニン、約11%の糖類、樹脂、その他を含む。
  • 全草から2種のキサントン(ラクサトン‐Ⅰおよびラクサトン‐Ⅱ)、ラクマリンと呼ばれる置換クマリン(5‐アリロキシ‐7‐ヒドロキシクマリン)が単離されており、葉に存在すると思われる
  • ローソンはヘンナの主要活性成分(染色および薬理上の)である。 これらはヘンナの樹皮、茎および根には存在しない。
  • 気候条件により様々な濃度で葉に集中して存在し、熱帯地域では温帯よりもローソン含量の高いヘンナが産出される。

〈薬効、生理活性〉

  • ローソンはさまざまな生理活性を持つ。
    Alternaria,Aspergillus,Absidia,Penicilliumなどの各菌種に対して、0.1%【1000ppm】濃度で効果がある抗真菌作用(殺真菌性および静真菌性)を
    Brucella,Heisseria,Staphylococcus,Salmonea,Streptococcusなどに対して抗菌活性をもち、初めの2種に対しては0,005%~0.02%濃度で効果を示す。
  • 抗腫瘍作用(マウスで肉腫180、ラットでウォーカー癌腫256)、弱いビタミンKでの活性と同等の鎮痙作用がある。
  • ヘンナでは、ローソンの抗菌作用に加えて、没食子酸や、1,4‐ナフトキノンを含むいくつかの抽出画分でも同じ活性が示されている。
  • ルテオリン、β‐シトステロール、およびローソンを含むエタノール抽出物は、抗炎症作用、抗ヒアルロニターゼ作用、鎮静作用があると主張されている

    〈利用法〉 医薬、香粧品

  • ヘンナは非常に多くのヘアケア製品(染毛剤、コンディショナー、リンス)に使用される
  • 違う色合いをつけるために、インディゴやログウッドなどの他の染料と混ぜなければ、ヘンナの長期使用により、髪は橙赤色に変わる
  • 色を長持ちさせるには、ヘンナの処方に弱酸(クエン酸、ホウ酸、アジピン酸)を加えて、弱酸性(約PH5,5)にするとよい

    〈伝統医薬〉

  • 葉は数世紀にわたって中東、極東、アフリカ北部で、爪・手・毛髪・衣服などの染料として広く用いられている。 また、肌の不調、頭痛、黄疸、アメーバ症、気分の落ち込みがひどいとき、また癌などの手当てにも用いられる。

    〈その他〉

  • 強酸に弱塩基を混ぜる場合の滴定に酸・塩基の指示薬としてローソンを使用できる

    〈流通形態〉

  • 主に原料のまま

    〈使用基準〉

  • 化粧品(毛髪用)への使用のみ、検査なしで着色料としての使用が認可されている