かぶれの話

私たちは日常的に好むと好まざるとにかかわらず、多くの化学物質に接触しています。

しかし、ある日突然、痒みや痛みに襲われたり、皮膚が赤くなったり、炎症を招くことも多くなりました。

それではなぜ、かぶれは発生するのでしょうか?

それは、化学物質が皮膚に合ったり、馴染んだりすることが無いからです。

しかし、私たちの皮膚には、それぞれの化学物質を受け入れる許容量という生体機能が備わっています。皮膚にはそれぞれの化学物質を入れる容器があると考えてもいいかもしれません。この容器がいっぱいになることで、化学物質から皮膚を守るため防衛反応が発生します。これが大まかなかぶれ発生のメカニズムです。(諸説あります)

それでは、いまのあなたの許容量の状態を自己診断してみて下さい

「パーマやカラーで、次のような不快感を感じることがありますか?」

1.頭皮に痒みや痛みを感じることがある。(毒正反応)
2.頭皮以外の場所にも痒みや痛みを感じることがある。(アナフィラキシー)
3.普段痒かった場所の痒みが止まることがある。(細菌感染症・白髪の増加)
4.異常な発汗を感じることがある。(アナフィラキシー)≪極めて危険な状態≫
5.頭痛や吐き気を感じることがある。(アナフィラキシー)≪極めて危険な状態≫
6.異常にふけが出ることがある。(接触性皮膚炎)<ウロコ状の皮膚の剥離>
7.異常に抜け毛が増えることがある(接触性皮膚炎)<枕や床に脱毛が目立つ状態>
8.顔が赤くなったり、吹き出物が出ることがある。(自己免疫疾患)≪慢性的な場合極めて危険≫

上記の中で一つでもチェック項目がある場合、無理をせず美容師に相談するか医師の判断をあおってください。

そうなる前の予防処置が唯一あなたの身体を守ります

いま、カブレは激増しています

人類の祖先であるホモサピエンス(知的な人間)が地球上に誕生した500万年前より、人間は体毛を捨てることにより、外界刺激物から皮膚を守る保護能力を進化させてきました。

しかし、近年、私たちの周辺には数多くの化学物質や合成品、重金属などが溢れ、外界刺激物として大きな影響を及ぼしています。
しかし、皮膚にはこれらの異物に対処する進化能力が培われておらず、長い進化で得た旧保護システムで対処しています。
それが限界に達した時、カブレという極めて厄介な現象となって現れます。

具体的にかぶれには大きく分けて3つのカテゴリーに分類できます

1.毒性反応(防衛反応)

皮膚に許容量を超える有害物質が接触した場合、表皮層の好塩基球が破裂し、細胞障害物質(ヒスタミン・ヘパリン)を分泌させます。結果、痒み・痛み・発赤・湿疹・炎症などを局所的に発生させ、危険信号を発信します。

2.アナフィラキシー(防衛反応)

皮膚に許容量を超える有害物質が接触した場合、真皮層の肥満細胞がが破裂し、細胞障害物質(ヒスタミン・ヘパリン)を分泌させます。結果、痒み・痛み・発赤・湿疹・炎症などを全身に発生させ、危険信号を発信します。

3.自己免疫疾患(体質異変)

皮膚に許容量を超える有害物質が接触した場合、表皮層の好中球が異常活性を起こし、細胞障害物質(活性酸素・タンパク質分解酵素)を分泌させます。具体的には、敵・味方の区別なく、皮膚に接触する多くの物質や外界刺激物(*)を攻撃する過剰防衛反応の出現です。結果、痒み・痛み・発赤・湿疹・炎症などを広範囲に発生させます。

*外界刺激物
A:機械的刺激(圧迫・摩擦)
B:物理的刺激(紫外線・風・乾燥・低温・高温)
C:生物的起因物質(カビ・細菌・ウイルス・毒性植物・動物毒)

お顔の細菌感染症とかぶれの危険性

尋常性ざ瘡(ニキビ)・・・ざ瘡桿菌・表皮ブドウ球菌

膿疱性ざ瘡(吹き出物)・・・黄色ブドウ球菌・化膿連鎖球菌

播種状栗粒性狼瘡(栗状の吹き出物)・・・黄色ブドウ球菌・化膿連鎖球菌

集族性ざ瘡(悪性のニキビ)・・・黄色ブドウ球菌・化膿連鎖球菌

毛嚢虫ざ瘡(悪性のニキビの塊)・・・にきびダニ・黄色ブドウ球菌

 

いかがでしたか?

読まれた方は、予防が大事だとわかる筈

知らない方に拡散しましょう