皮膚の自然保護システムについて

皮膚には外界から侵入するカビや細菌、ウイルスまたは紫外線、風、乾燥、温度、圧迫、摩擦等から自らの組織を守る力があります

具体的には・・・

A.皮膚免疫性

B.自然治癒力

C.皮脂膜の形成

です。それぞれがどんなものか順を追って説明していきます

A.皮膚免疫性

1.皮膚酵素・・・イソクエン酸脱水素酵素、ピルビン酸キナーゼ、グルコース6リン酸脱水素酵素、SOD酵素、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼの活性等を活性し、細胞障害物質(ヒスタミン・ヘパリン・活性酸素・タンパク質分解酵素)の解毒をおこなっています。

2.正常菌叢・・・人間と共存共栄する菌群

3.好中球・・・カビや細菌、ウイルスを貪食します

4.マクロファージ・・・カビ、細菌、ウイルス、化学物質、重金属、合成品、異種タンパク質を貪食します

5.ヘルパーT細胞・・・抗体の生産促進

6.サプレッサーT細胞・・・アレルギーの抑制

B.自然治癒力

1.セラミドの形成〔ヒアルロン酸・リン脂質・NMF〕・・・角質層の傷、炎症の修復

2.基底細胞の増殖促進・・・表皮層の傷、炎症の修復

3.線維芽細胞の活性〔プロテオグリカンの形成(ムコ多糖類)〕・・・真皮層の傷、炎症の修復

4.毛母細胞の活性・・・育毛作用、損傷毛の回復、ボリューム感の回復

C.皮脂膜(飽和脂肪酸の形成)

皮脂膜には・・・

①保護作用
②酸・アルカリの中和(弱酸性の維持)
③抗菌作用
④酸化防止作用(アラキドン酸・活性酸素・過酸化脂質の形成の抑制)
⑤皮膚呼吸の亢進
⑥発毛
⑦消臭作用
⑧乾燥防止
⑨ビタミンDの形成

などの作用があります

私たちの皮膚には、進化の過程で獲得した生体防御システムが備わっています。

しかし、過度の負担が加わってしまうと皮膚疾患の発生につながります