まず初めに知っておいてほしいことは、ヘアカラーは髪に色を付ける技術ですが、身体にとっていいことは何ひとつありません
ですが、白髪を見えなくするって大事ですよね?
最高のアンチエイジングとして、身だしなみの一つとして
白髪染めは大切だと思います
ここでは、そんな白髪染めが起こす肌のトラブルや危険性、その対処方法について説明させていただきます
デメリットばかり出てきてしまいますが、ご安心ください。それらを克服した時、白髪染めは最高のトリートメントになります
*専門用語がでるかもしれませんがご割愛ください
どんなトラブルや危険性があるの?
白髪染め(ヘアカラー・ヘアダイ・グレイカラー・ファッショングレイカラー等)による肌トラブルを考えるとき、短期間に起こるもの、短中期間に起こるもの、そして長期間使用で起こるものの3つに分けて考える必要があります
①短期間に起こるトラブルは、刺激性皮膚炎
②短中期間に起こるトラブルは、アレルギー性皮膚炎
③長期間使用で起こるトラブルは、白髪の増加ペースが速くなる、髪にハリコシが無くなってくる、髪が少なくなる、髪が長く伸びなくなる、等の髪を作る毛包細胞への障害
などがあります
直接的に肌に異常を起こす①と②については症状が似ているため
この2つの症状の違いを判断することは難しいのですが
▢カラー剤を塗布したら頭皮がヒリヒリと傷み、流したら治まった
▢カラー剤を塗布してしばらくしたら痒みを感じた
▢カラー剤をきちんと流したのに、頭皮がヒリヒリ傷む、頭皮が突っ張った感じがある、熱を持ったような感じがある
▢染めた後しばらくして、頭皮だけでなく顔周りや耳、首筋などに発疹が出た、赤くただれた
▢我慢できない痒みが続き、湿疹や膿が出た
▢顔周り、頭がパンパンに腫れる
上記のうち
一番上だけに✅が入った場合は刺激性皮膚炎の可能性が
その他に✅が入った場合は、アレルギー性皮膚炎の疑いがあります
とくに、カラー剤をしっかりと流した後に、頭皮に異常が現れるようになったら早めに病院へ行くことをおススメします
アレルギー性皮膚炎は、放っておくことが一番危険です
③については、気付きにくいことが多いのですが、白髪染めをながく続けていると確実に頭皮を傷め、髪の老化を速めます
原因物質は何?なんでそんなものが入ってるの?
染毛剤には
刺激性皮膚炎を誘発する可能性のある、①アルカリ剤②過酸化水素や
アレルギー性皮膚炎を誘発しやすい③パラフェニレンジアミン、④その他酸化染料が含まれています
順を追ってそれぞれ説明していきます
①アルカリ剤・・・刺激性皮膚炎の可能性あり
髪を膨潤させてキューティクルを開き、薬剤を浸透させやすくする目的と、過酸化水素を活性化する役割があります
〈カラー剤に使われている主なアルカリ剤〉
・アンモニア ⇒ 刺激臭がある、残留しにくい
・炭酸水素アンモニウム ⇒ 臭いが少ない、残留しにくい
・モノエタノールアミン ⇒ 微香、残留する
白髪染めに使用されるアルカリ剤は、薬剤のPH値を整えるために使用され濃度は濃くないんですが、それでも肌が弱い方や弱っている方、頭皮に傷がある場合は、刺激として感じる場合があります。危惧すべきは、モノエタノールアミンです。刺激が少ない分残留しやすく、肌を傷め続けることがあるので注意が必要です
②過酸化水素(H₂O₂)・・・刺激性皮膚炎、細胞傷害
髪の内部にあるメラニン色素を分解して髪を明るくする役割と、ジアミン等の酸化染料を酸化促進して発色する役割があります
白髪染めに使用される過酸化水素は通常6%濃度です(1剤との混合により3%濃度になります)。6%の過酸化水素が皮膚に付くと白く爛れ、痛みを伴います(美容師なら一度は経験済みと思います)。
3%の過酸化水素は、消毒で使われるオキシドールと同じ濃度ですが、危険性が指摘され、今ではほとんど使われていません
*過酸化水素による毛包細胞の障害については、下記にて説明します
③パラフェニレンジアミン・・・アレルギー性皮膚炎
濃い茶系の色を発色するのになくてはならない染料です。欧米人とは違い東洋人の白髪染めにはなくてはならない染料です
ジャパニーズスタンダードアレルゲンの1つとして指定されているため、アレルギー性皮膚炎を起こしやすい成分として知られています
④その他酸化染料・・・アレルギー性皮膚炎
単独では濃い色の発色は望めず、パラフェニレンジアミンの補助染料として、おもに色味を増やす目的で配合されています
〈その他おもな酸化染料〉
硫酸パラフェニレンジアミン、硫酸トルエン2‐5ジアミン、レゾルシン、パラアミノフェノール、メタアミノフェノール、オルトアミノフェノール
*ジアミン系染料は、パラフェニレンジアミンとの交差反応があり、パラフェニレンジアミンによるアレルギーが成立している場合、使用することはできません。
また、フェノール系染料は、パラフェニレンジアミンによるアレルギーが成立していても、その構造式が違うため、使える場合があります
どんな人が影響を受けやすいの?
ヘアカラーは髪の中と外で化学反応が起きて染まる仕組みになっています。その化学反応は当然皮膚に付いたら、皮膚の上でも同じ化学反応は起きています
そのため、皮膚の防御機構が弱っている状態では、皮膚炎が起こりやすくなっています
・肌が弱い方や敏感肌の方
・病中病後で肌のバリア機能が弱っている方
・生理中や妊娠中でホルモンバランスが崩れている方
・腎疾患により血液の浄化機能が弱っている方
・アトピー性皮膚炎で肌が異常に乾燥している方
は、特に注意が必要です(白髪染め以外のヘアマニキュアやカラートリートメントと呼ばれるものでも、皮膚炎を起こす可能性があります)
ほかにも、睡眠不足や過労によるストレス、偏食などが続いてホルモンバランスが崩れている時にも、皮膚炎は起こりやすくなります
白髪染めを長期間使用した場合、過酸化水素による活性酸素の発生により細胞障害がおきます
過酸化水素(H₂O₂)
・2H₂O₂⇒2H₂O(水)+O₂(酸素またはスーパーオキシド)
・H₂O₂⇒HO⁻+HO⁻(水酸化物)
なんて詳しくかけるほど化学はやさしくないんで…
言葉に置き変えてみると…
・過酸化水素は活性酸素の一つで、フリーラジカルと呼ばれるスーパーオキシドやヒドロキシラジカルになりやすい性質を持っています。
・通常活性酸素は体の中にも存在し、細胞を酸化して傷つけることから老化が始まると言われています。しかし、体の中にはフリーラジカルを捕まえて無毒化する酵素があるので、拮抗しあっています
・酸素は無ければ生きていけないし、あり過ぎても困る代物です
なのですが、白髪染めによる過酸化水素は、アルカリ剤が加わることで起こる化学反応によって
①スーパーオキシドアニオン(O₂⁻)(反応性が高い)
②ヒドロキシラジカル(HO・)(最も反応性がたかく最も酸化力が高い)
を作り出しています
たとえばこんなことが…
フリーラジカル(O₂⁻、HO・)は⇒フェニルアラニンの代謝異常⇒ドーパオキシターゼ酵素活性の消失⇒メラノサイト(色素細胞)活性の中絶⇒白髪の発生を促し、通常よりも白髪の発生量が多くなります
その他に
フリーラジカルは毛包の脂腺下部にある膨大部の中に存在する(膨大部の位置は下記写真を参照してください)、髪の毛をつくる元の毛包幹細胞や、髪の毛の色をつくる元の色素幹細胞に障害を与えていることが、研究施設により報告されています
髪が細くなり、ハリコシがなくなり、抜け毛が多くなり、髪が長く伸びなくなり、ボリュームが無くなる原因を、白髪染めの過酸化水素がつくっています
時間をかけて徐々に進行するためわかりにくいのですが、確実に頭皮の老化を速めています
まとめ
白髪染めによる肌のトラブルには
①刺激性皮膚炎
②アレルギー性皮膚炎
③毛包細胞の障害
の3つあるということをご理解ください
その原因をつくっているおもな危険成分(アルカリ剤、過酸化水素、パラフェニレンジアミン、その他酸化染料)が、白髪染めの中に入ってることを、知っておいてください
効果的な対処法ってあるの?
一度でもかぶれてしまったらどうしたらいいのかわからない!
なんて人が多くいると思います
それでもやっぱり白髪を見せたくないし、白髪ゼロの髪を維持していきたい方も多いと思います
カブレたと言っても人前に出るときは、染めたくなっちゃいますよね
白髪染めでかぶれてしまった時に大事なことは
1、まずは治療に努めること
2、そして充分に頭皮を休めることです
*健康な人や、頭皮に異常がない人でも、白髪染めは頭皮に負担をかけています。最低4週間の休息時間を空けて、皮膚のターンオーバーを待つことが大切です
①刺激性皮膚炎の対処法
染毛剤を流すことにより治まることが多く、早期に対処することによって比較的早く改善します
しかし、白髪染めで刺激を感じる人は、肌が弱い方がほとんどです。次の対処法に効果があります
1、ホームカラーはやめる
肌が弱い方にホームカラーは禁物です(モノエタノールアミンが入っていることが多い)。
加えてホームカラーは手軽にできる分、頻度が多くなる傾向にあります。フェイスラインや分け目などの気になる部分は、1週間に1度染めているなんて方もいます。
度重なる刺激が皮膚の炎症を起こし、慢性的な炎症は重度のアレルギーを引き起こしやすくなります。
皮膚のターンオーバー(最低4週間)を待って、充分に頭皮を休めて下さい
2、ゼロタッチができるサロンを選ぶ
頭皮に薬を付けないゼロタッチをすることにより
白髪染めに含まれる有害成分(アルカリ剤・過酸化水素・パラフェニレンジアミン・その他酸化染料)が起こす様々な問題の約80%が解決されます
その時は、コームを使用してゼロタッチをしているサロンを選んでください
コームによるゼロタッチは、専用のテクニックが必要です。
*カラー剤をコームに載せる方法、カラー剤が頭皮につかないコームの角度や滑らせる方向、毛束の持ち方や塗布していく順番(ほんの一部ですが)など、細かい手順に沿った技術をグレスタッチと呼びます
②アレルギー性皮膚炎の対処法「残りの20%を克服する」
勘違いしている方が多くいますが、アレルギー性皮膚炎の治療はあくまでも症状を抑えることであり、目立つ症状がおさまっても、今の医学で完治することはありません
アレルギー性皮膚炎になってしまった場合、今までと同じ白髪染めのやり方はできなくなるため、対処法にはいくつかの注意点が必要になり、本人の希望や症状のステージにより対処法が異なります
<一般のサロンの対処法>
1、白髪染めをやめていただく
周りの目を気にしない強い精神力をもっている人の場合、選択肢に入ります
2、ヘアマニキュアにする
絶対にかぶれないとは言えませんが、タール色素を使用しているため別のリスクがあります。
デメリットの一つとして、回数が増えてくると髪の艶が無くなりパサつくようになる傾向があります
3、100%植物染料(ヘナやインディゴ)にする
化学物質が一切使用されていない(*注1)ため安心感があり、頭皮にやさしく、髪のダメージを気にする必要が全くありません(*注2)
デメリットに、希望する色が出ないため植物に合わせなければならない。また、白髪染めに慣れた方が初めて使用すると、特有の軋み感(ヘナショック)に驚くことがあります
*注1:粗悪品のなかには化学染料が含まれているものがあります。信頼のおける植物染料を選んでください
*注2:インディゴはかぶれやすい植物染料です。また、植物アレルギーを持つ方には注意が必要です
《アレルギー対策美容院の対処法》
1、アレルギー予防を徹底し、97%の解決を目指す
・丁寧なカウンセリング
白髪染めの危険性とヘアケアの説明、目視と触診による今の髪と頭皮の状態の確認、これから行う技術の説明など、納得いくまで時間をかけて丁寧にカウンセリングします
・アレルギー予防カラーの施術
ゼロタッチにより80%の予防をして、さまざまな処理剤と専用の特殊なシャンプー技法で、97%の高い対処ができるようになります
[内容項目]
使用する薬剤の選定、カラー剤に混ぜるアレルギー予防剤、頭皮に薬を付けないコームを使用したゼロテクニック、カラー剤の流し方、アレルギー対策専用処理剤を使用した残留薬剤の除去、有害成分を除去する効果の高いシャンプー剤の使用、頭皮を傷めずにしっかりと洗う方法、髪を傷めない梳かし方、髪を傷めない乾かし方
・五感で感じる技術
①頭肌で術中術後の違和感の有無を感じていただき
②鼻でカラー剤の刺激臭の少なさを感じていただき
③目で見て髪の艶感の確認をしていただき
④手で触って髪の質感を確認していただき
⑤頭を振って髪の軽さの確認をしていただき
今までの白髪染めとの違いを感じ取ってください
2、アレルギー対策を徹底して、98%の解決を目指す
今現在、100%の対処法はありませんが、全ての精度を上げていき100%に近づける努力をします
すでにアレルギーを発症してしまった場合でも、髪色を変える白髪染めができる場合があります
アレルギー症状には軽度から中度、重度、超重度まで様々なステージがあります
*超重度(カラー剤を近づけるだけで皮膚が赤くなり、ヒリヒリと反応してしまう)と判定された方は、残念ながら別の方法をおすすめいたします
お客様のアレルギーステージに合わせて、予防カラーをさらに徹底していきます
・アレルギー対策用カウンセリング
専用のカウンセリングシートを使用して、アレルギー症状を細かく洗いだし、今のステージの確認をします
使用する薬剤の説明、技術の説明、リスクの説明をし、承諾していただいた場合のみ施術に入ります
・アレルギー対策カラーの施術
予防カラー以上に繊細な技術が必要になります。施術中は集中して作業に入るため、一切の私語ができなくなることをご理解ください
・アフターフォロー
自宅に戻ってからの症状の有無を確認することが大切です
施術後の髪の仕上がりの確認はできますが、頭皮で起こるアレルギー症状は遅延型であるため、万全の作業をしても予断は許しません
後日の状態を確認するため、どんな些細なことでも違和感がある場合はご連絡をお願いしています
術後の状態を把握することにより、お客様に合わせたアレルギー対策を洗練していくことができます
アレルギー対策は、双方のコミュニケーションが重要になり、改善策を積み重ねていくことで100%に近づくことができます
カラートリートメントって駄目なの?
カラートリートメントにつきましては、種類が多すぎて把握しきれていません。
そのほとんどが、HC染料や塩基性染料を使用して色を付けています。決して自然なもので色を付けているわけではなく、カブレにくい染料を使用しているだけです
中には硝酸銀という成分を配合したものもあります。これは、光と反応して徐々に色が濃くなるものです。厄介なのが、硝酸銀を使用したカラートリートメントをした髪を美容室で染めたりパーマをかけたりすると、その部分が緑色になります!硝酸銀はアルカリと反応すると化学反応を起こして緑色になります。さらに硝酸銀が一度髪の中に入ってしまうと、除去することが難しい成分です。
化粧品に分類されるカラートリートメントは、自社の責任により原料の規制が緩くなっています。どんなものが使用されているか把握しきれません
市販のカラートリートメントは自己責任でお使いいただき、美容院で染める場合、カラートリートメントの成分内容の確認が必要です
やむを得ず使う場合は、美容院推奨のカラートリートメントをおすすめします
最後に
白髪染めには様々な問題が見え隠れしています
決して、手軽におこなっていいモノではありません
これをお読みになったきっかけに
プロアマ問わず
もう一度白髪染めについて考えて頂ければ幸いです
白髪染めでお悩みの方の無料相談も受け付けています
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