アルカリと髪。「アルカリって髪を傷めるの?」

こんにちわ大坂です

毛髪診断士と美容師の目線から

ヘアケアに興味のある方

ヘアケアに興味のある美容師の方

に少しでも参考になるような情報を流せたらなって思ってます

 

今回は、「アルカリって髪を傷めるの?」について考えてみようと思いますが

その前に、髪のダメージの種類について話しておきますね。

 

髪が傷む原因には、物理的ダメージと化学的ダメージがあります。

物理的ダメージ

・ブラッシング
・コーミング
・ドライヤーの熱
・アイロンの熱
・摩擦
・ブロー  など

化学的ダメージ

・ヘアカラー
・パーマ
・縮毛矯正
・シャンプー
・トリートメント
・スタイリング剤 などがあります。

美容室で行うものはすべてダメージに繋がることになりますが、その中でも特に気を付けておきたいカラーやパーマに含まれているアルカリに的を絞って話をすすめますね。

 

アルカリにはどんなダメージが潜んでるの?

・髪がアルカリ性に傾いた結果、髪が膨潤し溶解することもある
・アルカリ剤が髪に残留することによる、2次的3次的ダメージがおこる
という事が考えられています

ではアルカリについて具体的に話を進めてみましょう

そもそもアルカリって何?

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アルカリとは、水に溶かしたときにアルカリ性(PH7より高い)を示し、酸と中和する物質の総称です。
PH(ペーハー・水素イオン濃度)という言葉が出ましたが、これは酸性とかアルカリ性の程度を示すもので、PH7というのが中性、それより低ければ酸性、高ければアルカリ性ってことです。水はPH7を示して中性、健康な状態の髪の毛はPH4,5~5,5なんで弱酸性です。
酸性・アルカリ性は、深い意味があるのですがメーカーの研究者でもない限りあまり深く考えることもないと思います。
温泉を考えてみて下さい、美人の湯って言われてるのはアルカリ性だし、硫酸が含まれてる温泉だってあるんですよ。硫酸ですよ!!放射能泉だって・・・。

話を戻します。
アルカリとアルカリ性を混同すると、誤解が生じるってことです。
アルカリとは、アルカリ物質の総称です。
ここでアルカリに関する大切な話もしておきますね。

アルカリにまつわる話

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石けんの作り方って知っていますか?ヤシ油とかオリーブ油をアルカリで煮込み、冷やして固まったものが石けんになります。アルカリの種類によって形状が変わってきますが、油に含まれる脂肪酸とアルカリが反応することによって、石けんが出来上がります。
(マルセル石けんは、地中海沿岸にあるマルセーユの地名から成ります、ここではオリーブ油と海藻を焼いた灰(アルカリ)が豊富にあったため石けん作りが発展していったそうです。)
ソープの語源はサポーという地名からきたと言われていますが、ローマ時代この場所で生贄として焼いた羊の脂肪が熱で溶けて、それが灰と混じってできた物質が流れ込んだ川水で洗うと汚れが良く落ちることが発見されました。
その物質こそは、脂肪中の脂肪酸と灰のアルカリでできた天然の石けんだったそうです。

アルカリは皮脂と混ざりやすいという事を覚えておいてくださいね。

アルカリを利用したもう一つの例が、尿の利用だそうです。

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尿は、化学的な目で見ると無機物特に食塩と、発酵してアンモニアを発生する窒素を含んだ物質が主成分だそうです。昔の人はそこに目をつけてこの尿を発酵させて得たアンモニアを、毛織物の洗濯に用いたそうです。
毛とか絹のようなたんぱく繊維には、石けんを使わずに薄めたアンモニア水を使ったそうですが、この時代に彼らはたんぱく繊維はアルカリに弱いこと、石けんのアルカリよりアンモニアの方が弱いという事を知ってか知らずか、理にかなったことをしてたそうです。

とは言え、アンモニアで髪の毛を洗う気はしませんが・・・。

残留しやすいアルカリって?

重曹水(アルカリ性)とかクエン酸水(酸性)が髪についても一時的にアルカリ性や酸性になりますが、水で簡単に流れてしまい元の健康な髪のPHに戻ります。薬剤が髪に残らなければ、アルカリ性にはなりません。

カラーやパーマに使われているアルカリにはいくつか種類があり、アンモニアが主になっています。美容室でカラーやパーマにをするとツーンとする刺激臭があります。すい込むとむせてしまいますが先ほど話したように、アンモニアは弱いアルカリで揮発性があり、毛髪中に残っても次第に揮発していきそれほど害がなく、浸透性が良いことで使われています。
しかしアンモニアは刺激臭が強いという理由で、他のアルカリを使った商品が現れてきています。
次によく使われているのが、モノエタノールアミンです。不揮発性物質で僅かにアンモニア臭があるのみで、CMとかで見られるツーンとしないホームカラーに多く使われています。刺激臭を嫌う方のために使われているアルカリです。
その他にも、トリエタノールアミン・苛性ソーダ・炭酸カリ・炭酸アンモンなどのアルカリもありますが、わずかなようです。

髪の毛の解明(まだまだ分からないことが沢山あるそうです)と共にカラー剤パーマ剤の研究が進み、白髪染めはより明るく、パーマはよりかかりやすくなってきましたが、それだけ髪の中にも薬が深く浸透しているということです。
その深く浸透しているがゆえに、髪にも残留しやすくなっていることも事実としてあると思います。

大切なことはアルカリ(だけではありません)が髪に残留すると髪が傷んでいっちゃうよという事です。

アルカリが残留することで考えられるダメージ

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これにはいろんなことがありますが、想像できることをあげてみると
・濡れた髪はアルカリによってさらに不安定になり、コーミングやブラッシングによって髪が切れやすくなる
・弱いアルカリでも毛髪中に残っていると、ドライヤーやアイロンなどの加熱時に変化が起こりやすくなる
・過酸化水素などの活性酸素が毛髪に残留することにより、アルカリに反応して活性し始め髪のシスチン結合を破壊してしまう
・毛髪中でキューティクルや髪の成分をつなぎとめているCMCという脂質成分が、アルカリにより鹸化し流れやすくなってしまう。結果キューティクルがはがれやすくなり、髪の油分が低下しパサつきなどの症状が出る
・紫外線によるダメージにも弱くなる

 

この髪に残ったアルカリやほかの薬剤にどう対応するか?

この問題を深く考えている美容師の方々は多くいます。そのような方々は、むやみにトリートメントを勧めたりしません。カラー後に髪の感触をよくするコーティング系のトリートメントは、髪に蓋をすることにもつながり、髪の中に残った残留薬物を閉じ込めてしまう恐れもあるからです。
それよりも少しでも残留物を取り除くことをし、それらの働きを少なくする方法を取ります。

美容室でできることはいくつかあります。
しかし、1回の作業で100%取り除くこともなかなか難しいことです。
これには、ホームケアをしっかりとしないと達成できません。少なくとも1週間は髪に負担をかけないようにすることです。カラー用のシャンプートリートメントやアウトバストリートメントを使用することも大切かと思います。

 

長くなってしまいましたが、正しい知識と正しいヘアケアでいつまでもきれいな髪でいて下さいね🎶

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

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