白髪染めでかぶれるって、どうして?

こんちわ!大坂です

いつもお読みいただきありがとうございます

 

書いてるうちに長くなってしまいました!!

興味のある方だけお読みください

 

最近、この手のことを書き始めてますが

どうしても避けて通れない問題だからでしょうね、美容師として。

これから白髪染めのニーズは増えて来るんでしょうし

危険ばかりあおっても、その代りがカラートリートメントでは

なかなか好みの色にはならないし、色はすぐに落ちるし

毎日のひと手間が増えるばかりで、なかなかすべての方に進めることはできません

 

でも通常の白髪染めでも、カブレない方もいるわけで

全ての方に進めることができる白髪染めはないんですよね

それでいいと思いますが

全部一長一短。

いいとこもあれば、悪いとこもあります

 

んじゃ、白髪染めの何がかぶれる原因になるの?

っていうと、みなさんご存知のパラフェニレンジアミンです

感作作用がある物質といわれてます

ようは、カブレる物質ですよってことです

欧州では配合禁止成分になっています

なんでそんなものが日本の白髪染めに入ってんの?というと

日本人の髪は黒髪だからです。

黒髪に近い茶色を出そうと思ったら、今のところ必須成分なんですよね

その代りの物がまだできていないんで、やむを得ず配合されてます

配合されてますが、厚労省で取り決められた上限内です

これは厳しく指導されていて、認可が下りないと製品にすることはできません

この基準は2年前にさらに厳しくなり、5年ごとに科学的知見に基づき更新されていくそうです

新しく発売されたカラーはこの基準内という事です

昨今のかぶれる方が増えてきたことにより、厳しくなったと思います

 

このアレルギー問題に取り組んでいるメーカーは、これからさらに増えて来るでしょう

というか、増えていかなければならないと思います

 

と、かなり前置きが長くなってしまいましたが

白髪染めに配合されてることが多い「パラフェニレンジアミン」

酸化染料の一つです。

酸化染料にはこのほかいくつかあります。(詳しくはカラー剤のパッケージの裏に記載されてる有効成分の欄をご覧ください)

見たことはないのですが、パラフェニレンジアミンを製造している工場はかなり厳しく管理されていると思います

その物自体は危険物に指定されてるくらいですから、防護服に身を包んで作業してるかもしれません

ですが、今のところ発がん性があるかどうかまではわかっていないそうです

してほしくはないのですが、マウスによる発がん性実験では確かな報告が得られなかったそうです

皮膚刺激や眼刺激、吸入した場合はアレルギーや喘息

長期にわたる反復暴露による臓器の障害の恐れがあります

この危険性は、工場に従事している作業員の方は、特に気を付けなければいけない事と思います

 

ですが白髪染めに配合されているパラフェニレンジアミンはどうでしょう

ここから少し想像が入ってしまいますが、いろんな方面から考えてみようと思います

 

1剤2剤を混ぜて使用する白髪染めの場合、1剤の中にパラフェニレンジアミンが配合されてます

今の規制ですとマックス3%の濃度上限になっています

他の酸化染料を入れてもマックス濃度は5%です

この数字の出し方は知りませんが、今の科学的知見に沿ったぎりぎりの配合上限なんだと思います

製造工場では、マックス100%ですからかなり低い数字になってると思います

 

パラフェニレンジアミンは単体は無色透明の粉末で、分子量が小さく酸素と触れることにより次々と結合していき発色に至ります。発色したパラフェニレンジアミンは分子量が大きくなり、髪の中で発色したものはなかなか流出せずに、結果色持ちが良くなります

単体の場合の大きさが非常に小さいため、皮膚の中にも入り込みやすくじかに触れた場合は、すぐに流す等の処置をしなければいけない事でしょう

2剤式の白髪染めの場合はどうでしょう?

この場合は配合上限が3%のため、直接パラフェニレンジアミンに触れている可能性は低くなると思われます。

パラフェニレンジアミンは酸素に触れると結合していきますが、白髪染めの場合はアルカリと反応した過酸化水素が、活発に酸素を提供しパラフェニレンジアミンの結合を促進します。

1剤と2剤をミックスした時点から、パラフェニレンジアミンは盛んに結合をはじめ大きくなっていくことが想像されます。

文献によると、この時の反応は拡散していくスピードよりも、次々と結合していくスピードの方が早いそうです。という事は、非常に小さいパラフェニレンジアミンが先に中に侵入し、髪の中で結合していくんではなく結合しながら中に侵入するそうです。髪の奥で発色してるわけではなく、キューティクルの内側に近い所で発色が止まってるそうです。

ここに、カブレてしまう方とかぶれない方の差があるのかもしれません

皮膚科学の面から見てみると

分子量が非常に小さい化学物質は、皮膚の隙間を縫って簡単に侵入したんぱく質と結合した時に、身体の免疫機能が働き始めます

たんぱく質と結びつかない小さい化学物質は、免疫細胞が気付かずにスルーしてしまうそうです

白髪染めでかぶれてしまう方がいるという事は、パラフェニレンジアミンは皮膚のたんぱく質と結びつきやすい事が想像されます

なのですが、健康な皮膚にはバリア機能というモノがあります(皮脂膜・細胞間脂質・天然保湿因子がそれにあたります)

皮膚の最外層は角層という皮膚バリアで覆われていて、この角層は体の部位によって厚さが違いますが通常14層あり、手のひらや足の裏はそれより厚い層で覆われ、顏(瞼や唇を除く)で約10層、頭皮で12層の構造になっています

白髪染めの反応を伴うパラフェニレンジアミンの場合、ここをすり抜けていくのは容易ではないように思われます。単体の侵入スピードよりも結合するスピードの方が早いのですから、なおさら難しいと思います

この場合は、あくまでも健康な皮膚の場合ですが、アトピー性皮膚炎の方や乾燥肌の場合、皮膚バリアのうちの天然保湿因子が少なく皮膚バリアが弱まっていることが考えられます。この場合は浸透も速くなり、アレルギー反応が出やすくなると思います。敏感肌の場合は、角層が薄く免疫細胞に届く確率も高まることが予想できます。結果アレルギー反応も出やすくなるかもしれません。

また、皮膚に傷がある場合は皮膚バリアなど関係なく直に届いてしまいますから、さらにアレルギー反応が出やすくなると思います

この辺りをもう少しクリアにできると、アレルギーに関するリスクはかなり減らせると思います

 

心理的なリスクも少なからずかかわってくると思います

危険危険とあおっていては、思い込みから反応が出やすくなります

ビタミン剤を風薬と名医が進めたら、信用して治ってしまうのと同じです

アメリカの信用できる機関の発表によると、化学物質過敏症はその物質が化学物質と知らされて初めて成立するそうです

パラフェニレンジアミンは危険だとあおるのではなく、疫学調査などを全国の理美容室でおこない、調べることができたらもう少し謎が解けるかもしれませんね

1美容師では無理ですが、厚労省が本腰を上げれば・・・

まあ、後回しにされるんでしょうけどね~~(^^♪

 

ここまで読まれた方に感謝します

長々とお付き合いいただきありがとうございました!!

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