髪と頭皮とジアミンと。

いつもお読みいただきありがとうございます。

サカシタウィードのサカです

 

ヘアケアに興味のある方

ヘアケアに興味のある美容師の方に

参考になれば幸いです

 

何かと話題に上がるパラフェニレンジアミン

何度かブログ内でも取り上げましたが

何が危険なのか??

よくわかっていない方も多いと思います

 

実際酸化染料は、非常に複雑な酸化工程があり

いくつかの種類の酸化染料の組み合わせで

仕上がる色が変わってくるものです

そのどこに危険が潜んでるのか?

実験を交えてお伝えできたらと思います

 

 

あらゆる毛髪対象製品の中で、最も感作性があるのは

白髪染めに配合されている、パラジアミン酸化染料です

その原料の中で最も感作性が強いのが

・パラフェニレンジアミン

・パラトルエンジアミン硫酸塩

・オルトクロロパラフェニレンジアミン

であり、これら以外の関連する芳香族アミンにも

感作性が存在していることが示されています

この中でも、パラフェニレンジアミンは酸化染料の主要構成物で

その他酸化染料も、あらゆる毛髪染毛製品の中で最も広く用いられてます

 

パラフェニレンジアミンは、強力なアレルゲンです

一度でも感作作用が起きてしまうと、使用することは出来ません

ひどい場合には、顔中腫れ上がったり、全身に発疹が出来たりします

「パラフェニレンジアミン・危険性」とかで検索すると

ひどい写真が出てるサイトにぶつかります

興味のある方は、検索してみて下さい

 

でも、20年以上の美容師の経験上

かぶれる方の多くは、アトピーやアレルギー体質の方、肌の弱い方に多いように思います

かたや、40年以上パラフェニレンジアミンが入ってる白髪染めをしてても

全くかぶれないという方もたくさん見てきました

これはどうしてでしょう?

実験と検証から考察してみようと思います

 

 

でわ・・・

 

被験者:私

対象物:手の甲

実験目的:パラフェニレンジアミンの危険性と対処法を探る

まず、私はアレルギー体質ではなく、花粉症にもなったことがありません。20年以上、数え切れないほどの白髪染め後のシャンプーを素手でしてきました。あかぎれになった手が沁みたことはありますが、かぶれたことはありません。
パーマ、縮毛矯正の薬も素手でしてきました。手の皮がむけることはありましたが、かぶれてません。
幸いにも薬には強い体のようです。そんな私の手の甲で実験です。

まず・・・
使用する白髪染め1剤には、パラフェニレンジアミン等の酸化染料が入っており、その他基材、アルカリ剤としてアンモニア、炭酸水素アンモニウムなどが入っている。黄色い色のクリームなので、塩基性染料も入ってると思うが、これは感作性がない物質なので気にしなくてもいい。
パラフェニレンジアミンの感作性を見るためには、2剤を混ぜると酸化反応がすぐに始まってしまい、空気酸化でゆっくりと酸化させた方がよりジアミンの感作性を見るのに適してる。という判断からあえて2剤である過酸化水素は混ぜていない。

仮説
パラフェニレンジアミンは感作性があるから、もしかしたら・・・でも配合されてる%はそれほど高くない筈だから、だいじょうぶか?(企業秘密らしく、配合%を記しているところはない)
アンモニアが入ってるから、その刺激はあるかもしれない。
過酸化水素を混ぜてないから、化学反応はないはず。
よって、ピリピリはなく多分何事もないはず・・・・

開始
ぺたっと手の甲に1剤載せる
・塗布時 スーッとする感じ。刺激はあまり感じられない
・20分後 手を動かしたりすると、ほんの少し違和感。刺激まではいかない
・30分後 違和感が無くなったので、薄くのばしてみる
・45分後 少し違和感がある、刺激感はない
・60分後 カラー剤の表面が乾いてきたので流す
・流し後  赤味が出てる。痒み刺激感はまだなし
・流し30分後 違和感あり。痒みまではいかない・・・
・3時間後 少し腫れてきたように思う。少し痒み感あり

その2日後もまだ赤い。

かぶれたか?感作されたか?接触性か?

 

検証

薬剤の付いていた部分が黒くはならず、赤味を伴った弱冠の痒み感
接触性にも見えるが、流す前の薬剤も黒く変色していないという事は、酸化される前のジアミンによる赤味の反応のように思う

アルカリ剤として配合されている、アンモニアや炭酸水素ナトリウムは、その他の基材のせいかほとんど刺激は感じなかった。

という事は・・・なんか見えてきたぞ

パラフェニレンジアミンは酸化染料。酸化される前は分子が小さいから、髪の中にも皮膚の中にも入り込む。
髪には、神経も血液も通ってない死滅細胞だから、中に入っても痛くもなんともない。
皮膚の中には、色んな防御機構があるから、異物が侵入するとそれを攻撃した結果赤味が出る。私の手の甲の中でも、何かしらの防御機構が働き赤くなったのだろう。
これだけでは、接触性皮膚炎かアレルギー性皮膚炎か判断しにくいが、その赤味の部分に痛みや刺激がないことから、アレルギー性の反応のように思う。
多分ここで抗体ができると、同じものが侵入するといつも赤味が出るようになる。
これは、次に触った時にわかるだろう。

でも通常、白髪染めは過酸化水素と反応させて色を定着させるもの。

という事は・・・
パラフェニレンジアミンは過酸化水素と反応する前は、分子が小さくて色々なとこに入り込むが、酸化反応したものは分子が大きくなって皮膚の中に入り込むことができないのではないか?
実際、薬剤を混ぜた時点から酸化反応が始まり、混合後は30~40分もしたら大方反応は終わってる。今回の実験とちがって、通常の染め方では、皮膚に入り込むジアミンの量はかなり少なくなってることが窺える。
この辺りが、白髪染めにかぶれない方も多くいることに繋がってくるのだと思う。

ハザード(毒性)=リスク(危険度)ではなく

毒性の強いものでも少量の暴露(摂取)なら問題とならず

毒性の弱いものでも大量の暴露(摂取)なら問題が生じます

リスク(危険度)=ハザード(毒性)×暴露量(摂取量)×時間

という、東京化粧品工業会に所属する坂口正之氏が説いている方程式が成り立つんではないかと思います。(目からウロコの化学物質30話という本は参考になりますよ~)

 

通常の使用方法を守った染め方では、ジアミンにかぶれるリスクは少ないと思いますが(一度でもヘアカラーでかぶれたことがある方は、絶対に使用しないでください!!)

しかしより危険性を少なくした、施術の仕方を考えることも大切です

それを理解している美容師の方々は、色んな工夫をなさってます

そんな素敵な美容師を目指していきたいですね🎶

 

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。

 

 

今回の実験は非常にたかいリスクを伴っています

皆様は、決して真似をしないでください!!

ねっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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