酸化染毛剤による毛髪金属との関連

白髪と黒髪   ~ホーユー 名古屋大学工学研究科、愛知医科大学医学部~より引用

黒髪にはおもにメラニンに由来する「金属」が、過酸化水素による酸化反応を促進させている。
白髪には、メラニンが少ないので酸化作用が働きにくく、これが「白髪は染まりにくい」と考えられる。

黒髪の色素であるメラニン顆粒には、ほかの毛髪微細構造と比べて多くの金属が存在している

過酸化水素を含まない酸化染料モノマー、直接染料(HC染料、塩基染料)は、黒髪と白髪では浸透には差がない。
酸化染料モノマーの浸透性は変わらないが、金属イオン濃度が低いほど、酸化重合物の生成量も少ない。

メラニン顆粒からはカルシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛などの金属元素が検出されたが、それ以外の各毛髪組織からはケラチンの主要な構成元素である硫黄と軽元素だけ。

水溶液系において、過酸化水素の分解触媒となる「金属」がある程度存在すると、過酸化水素による酸化染料モノマーの酸化反応が促進され、重合物の生成量が増加していくことが確認された。

毛髪金属には、体成から排出される内因性金属と、洗髪水など外部から吸着する外因性金属がある。

黒髪のメラニンの直径は0,2~0.5μm程度でコルテックス内に点在している。

メラニンはユーメラニンとフェオメラニン2種類あり、アミノ酸のチロシンとDOPAから作られている。
(DOPAはチロシンと酵素のチロシナーゼから成る。)紫外線吸収剤の役目がある